3 ありのままの私

スマートフォンがなかった時代、私が思春期の頃は友だちとの長電話が大切なコミュニケーションの一つでした。

友だちとの内緒話は親に話を聞かれぬよう、電話の線をぎりぎりまで伸ばし、部屋の隅でこっそり夜な夜な話していたことを思い出します(笑)。

思春期に「一対一」で、思いの丈を語り合った親友は、今それぞれに違った価値観を持ちながらもお互いを認め合える大切な存在です。

思春期になると、恋愛話や、学校での出来事に対する自分の気持ち、家族のことなど、それまで親に話していたことも、次第に話さなくなってくることがあります。

同じ目線で「思いを共有できる仲間」を求める気持ちが育ってくるこの時期は、そういった話を一緒に「共有」したり「共感」していくうちに、大切な「親友」となるのです。

そうして一人の親友ができることから「ありのままの私」に自信が持てるようになる。

そしてそこから一人、また一人と、つき合いの幅が広がっていくのかもしれません。

「たくさんの中の自分」は「一対一の自分」と比べ、自分を表現することが難しく感じることもあります。

また「たくさん」を意識し過ぎると、たくさんの人の反応を必要以上に気にしてしまい、心が動揺してしまうこともあるかもしれません。

私自身も正直な自分の考えや気持ちを出せず、「空気を読んだ」表現をすることがありました。

今はSNSなどでも繋がりが広がり、「たくさん」を相手にすることも多くなっています。

その中で「ありのままの私」を受け入れてもらえる一人の親友をつくることはこれからの時代、今まで以上に大切になってくるのではないかと思うのです。

「ありのままの友だち」、「ありのままの私」を受け入れ合う関係から、広い世界へ一
歩前進できますように。