【前回の記事を読む】思春期に「一対一」で、思いの丈を語り合った親友は、今それぞれに違った価値観を持ちながらもお互いを認め合える大切な存在
第一章 心が動いた時
4 「らしさ」は感じることから
秋が近づいている北海道。
岩見沢にある防風林を散歩しながら、濃い青空の下で太陽の光を浴び、伸び伸びと真っすぐにそびえ立つ白樺の木々たちからは強い生命力を感じます。
こうして自然に身を預け、大きな自然に抱かれているイメージを静かに感じてみることで、私はありのままの自分を感じることができました。
私たちはいつでも感じることができます。
迷った時にはゆっくりと息を吸い、そしてゆっくりと吐きながら「感じること」を大切になさって下さいね。
5 アンカリング効果
春に着られる洋服を買うため、母を連れて久しぶりにアウトレットパークへ行きました。 この時期は春からの新生活に必要なものを買いにくる方も多いのか、たくさんの人がきています。
「アンカリング」という言葉をご存じでしょうか? アンカリングとは、最初に与えられた数字(アンカー)を基準に考えてしまい、その後に提示された別の数字への認識が歪められてしまう現象です。
今回はこのアンカリング効果の影響によって複雑な気持ちになった私の話をさせて頂きます。
母と一緒に洋服を見ていたところ、昨年秋に気に入って購入しようか迷いながらも結局購入しなかった冬用のトップスが、なんと70%引きになっており、私は迷わず購入を決めました。
秋に買わなくてよかったと、すっかり得した気分になっていたのですが、その後、素敵だなと思いながら手に取る春服は、冬物に比べてどれも値引率が低く、高額だと感じてしまいます。
結局1枚も購入できずにいる私の側で、母は素敵な春服を見つけ、値引率が低くても購入。
結局私は春服を1枚も購入することなく帰宅しました。
帰宅後、購入した冬服は暫く着ることもないのでそのままクローゼットへ収納。 反面、母は楽しそうに素敵な春服に何を合わせるか、それをいつ着ようかと考えたりしてとても楽しそう。
半日時間を使って行ったアウトレットパークで、湧いてきた損得感情から何も目的を果たせず帰宅した私の隣で素敵な春服を購入し、ワクワクしている母を見て、一体どちらが得だったのかと、何となく恨めしい気持ちが残る買い物となったのでした。