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第一章 心が動いた時
7 意見や気持ちを言葉で伝えられますか?
「自分の意見や気持ちを言葉で直に伝えるのは得意ですか?」と聞かれたらあなたはいかがでしょう? さまざまなシチュエーションの中ではリラックスして意見や気持ちが言えることもあれば、緊張しながら発言することも。
日記を書いたりSNSで書き込みはできても、いざ人を前にするとなかなか自分の気持ちを表に出しづらい、という方もいらっしゃると思います。
うまく言えない……だから言わない……
皆、他人の話なんて興味がない……
気持ちや意見を伝えたところで状況は変わらない……
周りへ影響力を与えてしまう……
出る杭にはなりたくない……
弱音は吐きたくない……
人に自分の気持ちを話さないことが美徳……
実は、私自身このように考えていた時期があります。そうしているうちに、知らぬ間にだんだんと「孤独」を強く感じるようになったことがありました。
まだまだ未熟ながら今の私が積極的に自分の意見や気持ちを人に伝えようと思うのは、孤独感でいっぱいになった時にカウンセリングを受けたことがきっかけでした。
自分が発するまとまりのない気持ちや思いをカウンセラーの方が真剣に聴いて下さったことで、心に詰まっていたものが少しずつ流れ、一人で抱えていた孤独な気持ちが温かいものに包まれるような気持ちに変化したのです。
意見や気持ちを人に聴いてもらうことで感情はフラットになり、自律神経も整います。また、話をすること自体が創造的なことですから、伝える相手に自分を表現できることで気持ちよくなったり、考えていたことを言葉にして話すことで思考がより整理されたりと、たくさんのメリットがあるのです。
喫茶店でこの文章を書いていた時、私の隣席に座られた女性三人の会話が聞こえてきました。※決して耳を欹(そばだ)てていたのではありません(笑)。
女性1「〇〇道路で車横転だって!」
女性2「こわっ!」
女性1「居眠りだって」
女性3「眠いなら途中休んで寝ればいいのにね」
内容についてはさておき、会話をしていた女性に対し、考えや意見をしっかり伝え合っていらっしゃるなぁ、と感心したのでした。
伝える力は「意見や気持ちを相手に伝えていく」意識を持つことで、ついてくるものです。少しずつでよいのです。これまで感じたことのない世界を感じ、さらにその世界が広がっていく感覚を味わって頂けますように。
自分の意見や気持ちを言葉で直接伝えるのが難しいと感じていらっしゃる方は、まずは安心して話せる方に話してみるのもお勧めです。