【前回の記事を読む】「ワン、ワン! ちゃんとして!」「トウサンのせいじゃないよ」恒例になった箱根の旅。しかしその日は天気が悪く霧まで出る始末

足を洗う 2011年12月13日 クッキー4才9か月

散歩から帰ったとき、以前は、クッキーの足をウェットティッシュで拭いていました。でも、あるとき、買い物から帰って拭くと、何回拭いてもティッシュが真っ黒。浴室で洗ってみると、真っ黒い汚れが出ました。何だろう?

いつもの原っぱでの散歩帰りには、こんなことはなかった。クッキーを連れて商店街へ行くことは、たまのことだったので、気づかなかったけれど、結局、道路の排気ガス系の汚れとわかりました。

石原慎太郎都知事が実施されたディーゼル排ガス規制のおかげで、近年、黒い排煙に燻されることはほとんどなくなりました。それでも、車の多い道路では、ほんの十数分程度の出歩きでも、これだけの汚れが付くのです。クッキーは、常にトウサン・カアサンを全力で引っ張って踏ん張り、路面を強く蹴って走るので、汚れもしっかり付くのでしょう。

それ以来、外出帰りには、浴室で足を洗う習慣になりました。

でも、ワンコの足を洗うって、欧米ではどうなんでしょう。欧米には靴を脱ぐ習慣がないから、人々は玄関ドアからそのまま室内に入る。床は、道路の延長線上みたいに見えるけど、幼い子供を含め、ファミリーが、床に座ってくつろいだりしている光景をテレビで見かけます。

あんなデカイ靴が土足で室内に入るのだから、ワンコの小さな足を洗うなんて、あり得ないでしょう。その意味で、欧米のワンコは楽ですね。

でも、クッキーは“日本人”だから、靴は履かなくても日本の文化に従って、足を洗ってもらいますよ。

だいたい、欧米には“土足”なんていう概念、ないでしょうね。和英辞典を見ると、“with one's shoes on”となっています。文字どおり「靴を履いて」ということですから、日本人が感じる、良からぬニュアンスとは、チョット違うようです。日本では、「靴を履いたままでいいですよ」とは言われても、「土足でいいですよ」とはあまり言われませんからね。

でも、考えてみたら、靴を脱ぐってことに、どういう意義があるの? 靴を履いたままの生活が、健康に、あるいは寿命に何の影響も与えないことは、欧米人の長い長い歴史の中で明白に実証されている。

だいたい、明治以降の文明開化、西洋化の奔流の中にあっても、靴を脱ぐ生活様式が大原則として揺るぎなく守られてきたのは、ひょっとして、何か宗教的な理由でもあったのかしら? それとも、単なる民族的な“潔癖症”?

まあ、靴や下駄で踏みつけるには柔に過ぎる畳を敷き詰めた日本家屋、畳に座り、畳に寝具を敷く、などなど、靴を履いたままの生活が簡単には浸透しなかった事情は、いくらでもありそうですが。

何はともあれ、靴を脱ぐ生活が守られてきてよかった。掃除が大変!

掃除の苦手なカアサンにとっては、靴のまま歩き回られるなんて耐え難いし、大体、足蒸れない? 臭くならない? 水虫大丈夫? 帰宅して靴を脱いだときの開放感、くつろぎ感は大きいですしね。

クッキーや、足を洗ってもらうことには、そんな事情があるんですよ。