【前回の記事を読む】「彼女は本当に犯人だったのか?」監視カメラが暴いた新事実が明らかに。そして記憶を遡り、見えてきたものとは…
眠れる森の復讐鬼
「途中頭部CTを撮るためにCT室に寄ったから、三十分くらいかな」
「CTを撮る時は人工呼吸はどうしたんだ?」
「蒼先生が防護服を着てCT室の中でアンビューを押してた」
「移動中は移動式モニターを見ながら搬送するんだよね。それはどうだった?」
「ええっと・・・・・・そういえば、モニター画面は蒼先生がずっと自分の方に向けていたから私達は見えなかったの。でも先生が確認しているから大丈夫と思ってた。あっ、そういえばあの時、モニターのアラームが何度も鳴るから蒼先生が頻りにアラームの一時停止ボタンを押してたわ」
「病室に着いた時、大聖の診察はしなかった?」
「病室に着いて彼をベッドに移動したら、まず病室に準備してあったベッドサイドモニターに切り替えようとしたんだけど、それが見たことないやつだったんで私達がまごついていたら、
『そんなこともできないのか、もういい、俺がやるからお前達は人工呼吸器の準備をしろ』って蒼先生が怒り出して、
私達急に頼まれたのに、『何も準備していないじゃないか。早く必要な物を持ってこい』って怒鳴るもんだから、人工呼吸器に必要な物品を集めるのにバタバタしたわ。
人工呼吸器に繋ぎ替える頃には先生がもうベッドサイドモニターを装着して、セントラルモニターの設定までしていた。その時はどちらのモニターでも心電図、血圧、酸素飽和度も問題なかったわ」