【前回の記事を読む】「私、お酒じゃなくてもいい?」「うん、いいよ。会社の付き合いでもあるまいし好きなの飲んで。私も弱めのやつにしようかな」
訳アリな私でも、愛してくれますか
「まぁ、同期150人もいたらね……」
「そうなの。そんな人達が集まって何の話をするんだろうって思うんだけどね。まぁいい機会だから参加しようかなーって」
「うん、いいと思うよ。大きな会社ほど、横のつながりって大事なんじゃない?」
「そうだね。なんか話のネタ考えておかないとなぁ」
理子の先回りした気配りに、つい笑ってしまう。自分からいじられキャラになって、場を回すのが理子の役割だ。
「そういえば。ねぇ、くるみのお姉さんって今も結婚しないっていうの貫いてるの?」
「うん、そうだよ」
「そうなんだ……。私さ、最近親からそろそろ結婚しなさいって急かされ始めたんだよね」
「うわー、出たね……」
「こんなのドラマの世界だけだと思ってた。しかもね、別に『そろそろ結婚は?』とかあからさまに聞いてくるんじゃないの。この間の連休に帰省した時、一緒に買い物に行ったんだけどさ。
たまたま通りかかった子供服売り場で、赤ちゃんの服を見て『あら可愛い。いつか孫ができたら買ってあげたいわ』って言うの!」
「あはは、お母さんなりのアピールだね」
「そんなに孫が欲しかったら、もっと何人か子供を産んでおくべきだったと思うな。一人娘に全希望を託すなんて、何考えてるんだか」
「確かにね。理子、一人っ子だもんねぇ……」