アスペクト比が一〇〇以上の世界
アスペクト比が一〇〇を超えると、様相が異なってくる。対象物を、縦と横を同時に認識する「細くて長い形」として捉えるよりも、むしろ、ばらけて、対象物を「細い」とか「長い」とか一方のみを強調して認識する傾向にあるようである。
この範囲の対象物は自然界に多く見られる。最初に思い浮かぶのは、樹木などを除いては、川や道などであろう。
例えば、信濃川は新潟県および長野県にわたって流れる総延長三六七kmの日本一長い川である。
川幅は最も広いところで九〇〇mであるので、三六七kmを縦の長さ、九〇〇mを横の長さとすると、アスペクト比は四〇七となる。
自然には、いろいろな長さの川があり一概には言えないが、一般に川のアスペクト比は数百の数値の範囲に入ってくる。
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