③フレマネズマブ(アジョビⓇ)

2021年8月に大塚製薬株式会社より発売。CGRPに対するモノクローナル抗体で1か月に1回の皮下注射です。4週ごとに1回ずつ注射する方法(マンスリー)と、3か月ごとに3本注射する方法(クオータリー)が選べます。また、オートインジェクターでの自己注射も可能です。

月1回の投与でも3か月に1回3本の投与でも、どちらも1か月目から頭痛日数がプラセボと比べて明らかに減少し、有効性と安全性が報告されています。

半減期が他の2剤(エムガルティⓇ、アイモビーグⓇ)よりも少し長く(33日)、注射1か月後の効果減弱(ウェアリングオフ現象といいます)が起こりにくいと考えられています。頭痛に伴ううつ症状の改善に効果があることが報告されています。

④開発中の片頭痛治療薬

エプティネズマブ(eptinezmab)は12週に1回、経静脈投与すなわち病院で点滴をする抗体薬で、現在臨床試験が行われています。通院回数の減少につながることが期待されています。

CGRP受容体拮抗薬であるゲパントの臨床試験が開始されており、片頭痛の急性期治療と予防の両方に有効と報告されています。分子量が小さいので内服可能で、CGRP関連抗体薬に次ぐ治療薬として期待が高まっています。

さらに、片頭痛にはCGRP以外の神経伝達物質も関わっていることが知られています。下垂体アデニル酸シクラーゼ活用化ポリペプチド(PACAP:Pituitary adenylatecyclase-activating polypeptide)は血管拡張や神経炎症に関わっている神経ペプチドで、PACAP関連抗体薬に関しても臨床試験が進められています。

 
 

 

次回更新は7月14日(月)、8時の予定です。

 

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