はじめに

寝込んでしまうくらいつらい痛みなのに、頭痛ぐらいで……とガマンしてしまうことはありませんか?

日本人の4人に1人は慢性頭痛といわれています。慢性頭痛は脳にはっきりとした異常がないのに、繰り返し起こる頭痛のこと。

症状によって、緊張型頭痛、群発頭痛、片頭痛の3つに分けられます。

緊張型頭痛は肩こりや目の疲れによって引き起こされ、パソコンやスマートフォンの使用が増えることによる現代病といえるでしょう。

また、群発頭痛は20~30代の男性に多く、いったん起こり始めると1~2か月の間、毎日のように片側の目の奥やこめかみにえぐられるような激しい痛みが起こります。毎年、あるいは2~3年に1回襲ってきて、頭を抱えてのたうち回るほどの痛みです。

一方、片頭痛は日本で840万人といわれ、特に女性に多く男性の4倍で、20~40代の女性に多い病気です。

生理前日から生理中または排卵時に頭痛になりやすいので、生理痛だと片付けてしまって、市販の鎮痛薬で凌いでいる人も多いようです。

しかし、毎月のように仕事を休んでしまったり、家事もこなすことができないなど、女性の片頭痛の悩みは切実です。

周囲の理解が得られず「サボっている」「やる気がない」「能力がない」と決めつけられてしまい、仕事や家族関係にも影響が出ます。

片頭痛の原因は、何らかのストレスで三叉神経から神経ペプチドという物質が出て、これが脳の血管に作用して血管が拡張し、炎症が起こるためとされています(三叉神経血管説)。

痛くなったら服用する薬(急性期治療薬)には、片頭痛の血管の拡張と炎症を鎮めるトリプタンという薬があり、病院での処方が必要です。

片頭痛には予防のための薬もあります。薬を続けることで痛みの頻度が減り、程度も軽くなります。飲み薬の予防薬は毎日3か月程度続けます。