2)動輪関係
真鍮製のC62とかD51などの動輪では進行方向に向かって左側車輪がフランジのあるタイヤ踏面下に絶縁体が挟み込まれてショートを防止しています。
この絶縁体、多くは「バルカナイズドファイバー」と呼ばれるガラス繊維紙またはフェノール樹脂で絶縁被覆されており丈夫ですが、これが劣化するとショートしてしまいます。そしてこの車輪が真鍮など金属製の車体に触れるとまたショートしてモーターなどが破損しかねません。
何か引っ掛かるようなロッドの動きでうまく走行しない場合は、各動輪の左右の位相差ズレの発生が多く見られます。
差本的には左右のロッド位相差は90度で構成されていますのでこれがずれるとうまく回転が繋がりません。金属軸に圧入されている金属製車輪では少ないですが昨今のプラスチック製ではよく見られます。製造工法的に特に海外製でよく見受けられています。
図6はその1例です。

図6 絶縁動輪と左右位相差(Nゲージ/海外MTH社製BR44)写真上の第1,2動輪のカウンターウエイト位置が他の動輪と異なっている。写真下は正常位置であることから、位相差がずれていることがわかる