はじめに

死ぬ時は「良い人生だったと納得して死んでいきたい」と思う。そういう方は多いと思います。憂いなく満足の中で苦しまず、怖がらずにぽっくりと静かにあの世に逝きたい。理想ですがなかなかこのようにはいかない。

まずは定年や廃業が近づくにしたがって、後輩やら跡継ぎに慣れ親しんだ職場を徐々に追い出され、家族からは「今まで頑張ってきたのだから、これからはゆっくりしてください」などと本心とも思われる思いやりを言われるが、しばらくすると邪魔にされ、粗大ゴミだとバカにされ、何もすることがなく、当てにされることもなく、仕事以外の友達もいない寂しさを味わい、さらに年金以外の収入もないのだから遊びに出かける金もないし、昼間から遊ぶすべも知らない、兵糧攻めにあって楽しいどころか憂鬱な日々、これから先は運が良いのか悪いのかすらわからないが、20年以上も生きていかなくてはならない。

そして、2人に1人はガンで死ぬと脅されて考えると夜も眠れない。ガンで苦しんで苦しんで、悩んで悩み尽くして緩和ケアーに入り、何とか家で死にたいと思ってもその思いもかなわず、病院のベッドの上で終わりになる。

死に方は自分では何ともならないことが多く仕方がないことかもしれません。しかし、ボケなければ死ぬ間際までは自分の意志を表明することは出来ます。

長年勤めた職場を退職したり、長年守り続けた家業を譲ったり廃業したり、はたまた俺は死ぬまでこの仕事が天職だと務め上げたりと色々な生き方がありますが、いずれにしろ人生の最後は必ず来ますので、納得して満足の内に終えたいと思うのが一般的ですね。