俳句・短歌 短歌 故郷 2020.08.28 歌集「星あかり」より三首 歌集 星あかり 【第8回】 上條 草雨 50代のある日気がついた。目に映るものはどれも故郷を重ねて見ていたことに。 そう思うと途端に心が軽くなり、何ものにも縛られない自由な歌が生まれてきた。 たとえ暮らす土地が東京から中国・無錫へと移り変わり、刻々と過ぎゆく時間に日々追い立てられたとしても、温かい友人と美しい自然への憧憬の気持ちを自由に歌うことは少しも変わらない。 6年間毎日感謝の念を捧げながら、詠み続けた心のスケッチ集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 快晴よスカイブルーの広がりを 宝物として仰ぎ見る哉 近隣の実が着き熟す柿の木に 雀舞い降る秋景色哉 マンションのビルより覗く碧き色 狭き空間に雀ら遊ぶ
小説 『眠れる森の復讐鬼』 【新連載】 春山 大樹 赤信号無視の乗用車が、トラックに衝突し大破した。シートベルトをしていなかった重症の若者が搬送された、その病院の医師は… けたたましいサイレンの音が鳴り響いている。そしてその音は嫌な気持ちになる程どんどん大きくなってきて、すぐそこまでやってきたと思ったら突然聞こえなくなった。ERの自動ドアが開いて救急車から下ろしたストレッチャーを白いヘルメットと青いコートを身に着けた二人の救急隊員が中に運び入れた。ストレッチャーの上で、頸椎カラーを装着され、オレンジ色のクッションで頭部をバックボードに固定された若い男が苦しそうに冷…
小説 『雲海のエガミ』 【第20回】 こた 倒れている老人を助けたところ、「優しくしてくれたお礼に…」とあるものを渡され、そのあと老人は息を引き取った 一方、ラ・エンカは、大幻透視師ミヤンから教わったエデンの花の生息地に向け旅を続けていた。エデンの花は開眼の実と言う名の実が生り、その実を食べると知りたい情報を頭の中で見る事が出来た。エデンの花の生息地は毎年変わり、見付けるのが困難の為、幻の花と言われていた。一説では、エデンの花が咲く上空には、記憶の森があり、その中心に在ると言われるクレアーレの泉から滴り落ちた水からエデンの花が出来るのではと噂さ…