墨色が車窓に続く暗い夜に
竹藪照らす南京の月
目を見張る黄山駅の夜明け空
ラピスラズリで投射したよう
桂林の凛立してる怪岩に
乳白色の秋雲懸かる
50代のある日気がついた。目に映るものはどれも故郷を重ねて見ていたことに。
そう思うと途端に心が軽くなり、何ものにも縛られない自由な歌が生まれてきた。
たとえ暮らす土地が東京から中国・無錫へと移り変わり、刻々と過ぎゆく時間に日々追い立てられたとしても、温かい友人と美しい自然への憧憬の気持ちを自由に歌うことは少しも変わらない。
6年間毎日感謝の念を捧げながら、詠み続けた心のスケッチ集を連載でお届けします。
墨色が車窓に続く暗い夜に
竹藪照らす南京の月
目を見張る黄山駅の夜明け空
ラピスラズリで投射したよう
桂林の凛立してる怪岩に
乳白色の秋雲懸かる