事例7の問題点の分析 なぜ、こうなる?
・本人がいなければ相談にならない、と考えるのは早計
確かに、「本人がどうしたいのか」に焦点を当てると、相談に来た家族の話を聴くだけでは何ともならないのかもしれません。しかし、私がこれまで主に歩んできた児童福祉分野や精神保健分野では、相談の対象となる本人がその場にいなければ相談にならない、ということはほとんどありませんでした。
そのような本人に対して、「家族としてどうしたいのか」に焦点を当てると、相談にならないことはありません。対応者の偏った価値観が相談の妨げになることがある、ということも意識しましょう。
事例7の対応方法 さて、どうする?
・困っている人とまずはつながる
子どものことで相談したい家族がいたとして、内容によっては、子ども本人と直接話す機会を設ける必要が生じることもあります。しかし、最初に意識することは、相談してくれた家族とつながることです。
来てくれた人が困っているのであれば、その人とは比較的容易につながることができます。相談したいことは子どものことですが、相談してくれた家族が困っていることに寄り添うことはできるはずです。
私は、話を聴くことを通じて、まずはその家族に「この対応者は話せる人だ」と信頼してもらえるように努めました。その家族と築いた良好な関係をベースに、後に本人と会うことができました。
次回更新は5月5日(月)、8時の予定です。