【前回の記事を読む】仕事に没頭し、ついに会社を設立。そんな矢先に子どもを授かり、仕事との両立をせざるを得なくなってしまい……

第2章 私の子育て

私の子育て

そこで、この先数年間を乗り切るための我が家のルールを作り、会社の仕事と同じように家事を分担することにしたのです。

それから少しずつですが、夫が手伝ってくれるようになりました。何もしなかった夫が家事の何か一つでも協力してくれると大助かりで、仕事と家庭の二人三脚がこうして始まりました。

それでも、仕事との両立で時間に追われる日々。子どもを持つお母さんとのお付き合いもなく、子育ての悩みは育児書に頼り切り。子どもが熱でも出したら抱きながら部屋の中をおろおろと歩き回る私でした。とても不安だったことを覚えています。

少しおかしいと思ったらすぐ病院へ直行していたので、最後には先生に「お母さんがお子さんを病気にしていますよ」と言われ、「えっ、なぜ?」と私はその言葉の意味がすぐには理解できませんでした。

先生曰く、「お母さんの心の不安は子どもに移ります。大丈夫と思う気持ちでお母さんがどっしりと落ち着いていたら、お子さんにもその安心感が移るのです」とのこと。その言葉ではっと目が覚めました。それくらい初めての子育ては緊張して、怖くて不安でたまりませんでした。

しかし、不思議。2人目ができた途端に不安な気持ちが消え、どっしりと構える自分がいたのです。親が落ち着いたせいか下の子はゆったりとした性格になりました。

ある時、上の女の子と下の男の子とでは成長度合いが全然違うことへの不安をふとこぼしました。すると、聞いてくださっていた先輩のお母さんが「そんなことを言うと下のお子さんを潰してしまいますよ! 女の子と男の子の成長は全然違うのです。比較して下のお子さんを駄目にしていることが多いのですよ。女の子はウサギさん、男の子はカメさんですよ」と。

へーっ、そうなのか。この時は納得するまではいかなかったのですが、とにかく2人を比較することはやめました。しかし、後に本当にそうだったと気づかされることがよくありました。じっと見守ってあげるとちゃんと到達点に行きつくのです。

また、ある時、仕事との両立が辛くなって、ふと愚痴が出てしまいました。すると、その先輩お母さんに「人生はやり直せるけど、子育てはやり直せないのよ!」と言われ、この言葉が私の心に深く入り込んだのです。本当にありがたかったです。