はじめに
私は現在、「くしろ子ども未来塾」という塾をNPO法人として仲間と共に運営しています。日々子どもたちと向き合う中で感じたこと、気づいたことを、現在育児中の方やこれから親になる方、教育関係者など子育てに関わる方々に向けて伝えたいと思い、この度筆を執りました。まずは、私がどのような経緯で塾を設立したのか、簡単な生い立ちを踏まえてお伝えさせていただきます。
私は昭和24年、北海道釧路市生まれ。父は昭和14年に開業した畳製造販売業を営んでおり(現在は兄が継承)、6人兄弟の三女として賑やかな家庭で育ちました。ただ、畳工場と住宅が同じ棟にあったので、通いの職人さん、住み込みの職人さん、取引業者さんなど常に人の出入りがあった落ち着かない環境でした。
また、兄と弟に挟まれていただけではなく、近所には女の子が1人いただけで、その子も小学校に上がる頃には引っ越していってしまったので、町内会は男の子ばかりでした。そのような環境でしたから、遊びと言えば男の子の遊びばかり。車社会ではなかったので家の前の空き地で、野球、缶蹴り、チャンバラと、少しも女らしくないと父に叱られていたものです。
そんな子ども時代に、日本舞踊との出会いがありました。当時はお祭りなどに駆り出されることも多く、踊り三昧。子どもだったので、楽しさしかなく、夢中になっていきました。
中学から高校へと変わる時に、自分にとっての大きな曲がり道があり、親の勧める高校へ進学。卒業時、学校が勧めた就職先には行かずに上京し、もう少し勉強をしたいと専門学校へ行きながら会計事務所でアルバイトとして働きました。