【前回の記事を読む】「自分大好き。週末は海でBBQ。趣味はサーフィンです。彼女は元読モでした」とか言いそう。初対面でお前呼びする奴にロクな人間がいない
第2章
「ポジティブマインドに切り替えて行こう! これからのたった1年間の受験勉強だけでお前らの一生が決まるんだよ! 大事なのは、そう言った攻めのマインドだよ」
彼は胸に手をあてて、喋る、喋る、喋る。彼のベシャリはすこぶる流暢だ。そこは認める。しかし残念なことにベシャリがつるつるしていて、聴いていて胸に引っ掛かるところがない。重みがない。
傍聴していた僕は彼をそのように分析していた。ってか、「マインド」って表現好きですね? 気にいってますよね?「マインド」言うてたら、カッコええと思ってますよね?
「高校生という視野が狭いお前らから見たらさ、受験戦争に打ち勝って高い偏差値の大学を卒業して、一流会社でバリバリ働いている僕のことが立派な社会人に見えるかもしれない」
いやいやいやいや、自分で言います? 「立派な社会人」って。
「お前らと距離ができてしまうのも悲しいから、ほんとのこと言いますね。実は、こう見えて僕ね、高校時代は、ヤンチャしてましてね」
知りませんやん! お前のヤンチャ烈伝、未来永劫、知りませんやん!
「この校舎の向かい側にね、西二号館って校舎が昔あったんですが……って、こんな話したら年バレちゃいますよねぇ?」と彼は照れて困った顔をする。
お前の年齢については、二十億光年、興味ないです。