【前回の記事を読む】子どもが自ら選んで自ら決めた道ならば躓いたとしても誰も恨むことなく耐え抜いていけるので親はその夢を側面から応援するだけ

第2章 私の子育て

夢を持たずにいると……

「将来何になりたいの?」「分からない……」と答えていた子がいました。皆が行くから自分も進学する。

夢がないからただ自分の偏差値で受験できる大学に行き、特に好きでもない学部に行き、やがて卒業。

とりあえずどこかに就職するが、自分の好きなことではないと退職し、次に就職してもすぐに退社を繰り返す―尋ねれば、自分に合っていないとのこと。その若者に「好きなことは何?」と聞いても「分からない」と答えます。これは実際にあった会話です。

また、ある時、お母さんに「小さな頃から将来何になりたいか、夢でもいいからお子さんと話す機会があったらいいですね」と言ったら、「何も分からない小さなうちから決めても仕方がない。大きくなったら自分で決めると思うので」とのこと。

結果、何の目標も持たず学生時代を過ごし、自分の進路を決めることすらできない、何をやっても上手くいかず、結局は無気力な人生を歩んでしまうとしたら、残念でなりません。

育つ環境で子どもの歩む道も、変わってきます。小さなうちは親の導きが必要と私は思います。ある程度レールを敷くことも必要で、何も分からない子どもは素直に乗ってきます。そのレールを敷くために親は広く社会を見つめ、様々な情報を入手することが求められます。

目まぐるしく変化する社会、勿論子どもを取り巻く環境も絶えず変化しています。それに敏感になり柔軟に考え方を改めていくことが求められると思います。

将来これで良かったと思えるかではなく、子どもの将来を真剣に考えた事実が大事ではないでしょうか。

私は、子育ての過程で成長するのは子どもだけではなく、親も一緒に成長していくのだとしみじみ思ったものです。

子どもを育てながら、様々なことを学んだからです。そして日々変化を見せながら成長する我が子を見て、子育てってなんて面白いのだろうと感じたのでした。