【前回記事を読む】昨日はイケメン、今日はオッサン!「惚れました」と言われてもなあ…二日連続「弟子にしていただけませんか?」と迫られている
第一章 怒 涛
二、また来たんかい!
落語ブログ 「あれこれ気ままな噺」
今回は、ちょっと真面目に落語について考えてみます。先人の方々もおっしゃっているように、私も落語って、結局「演じる人」なんだと思います。
「芸は人なり」という言葉があるように、その落語家さんがどんな人であるかが一番大きなポイントだと思います。同じ噺を聴いても落語家さんによって面白かったり、そうでなかったり。まさに、それが証拠です。そういう点からいうと、私の「推し」の花楽亭喜之介さんは人間的魅力にあふれています。
毒舌だったり、ちょっと危ないことを言う人を好きな落語ファンもいますが、私はその逆で、誰の悪口も言わない喜之介さんが良いと思ってます。確かにマクラは普通に最近あった出来事をちょっと喋るだけで、特に爆笑とまではいかないんですが(笑)、よく聞いてみると、独自の視点があって楽しいです。そこらへんに人間性が出ますよね。
そして、いざ本ネタに入ると、俄然魅力的になります。何とも言えない間が良いんですよね。意識的だと思うんですけど、間を長く取るところが良いと思います。それによって、すごくとぼけた味が出るんです。それが喜之介さんの人間的魅力でもあります。あの味を言葉で説明するのはなかなか難しいですね。皆さん、ですから、一度、喜之介さんの落語をナマで聴いてください!
三、二度あることは三度あるんかい!
その日も高座に集中しきれなかった。
大事なお金を払って見に来てくださっているお客さん、どうもすいません。
オチを言って頭を下げるとき、そんな思いが心に広がる花楽亭喜之介。
上方落語の定席である天神亭の出演はこの日が三日目。初日の出番が終わって寄席を後にしたところで、弟子入り志願者が登場して大いに狼狽した。
翌日もその狼狽を引きずっていたところに、まさかの二日連続で、弟子入り志願者が登場。カウンターパンチを見事に二発食らってKO寸前の状態。
喜之介が出演する寄席に、弟子入り志願者が見に来ているのではないか?