「この布おむつの洗濯が大変でねぇ。でも義貴はオムツ交換も洗濯もよく手伝ってくれてね」
食べ歩きが大好きな叔父は折に触れて美味しい食事を楽しむために東京に来ていました。そのたびに我が家へも立ち寄ってくれました。叔父と姪というよりは年齢の離れた兄妹か若い父親のように、いつも気づかい優しく接してくれました。
北海道から1週間の予定で上京していた「半ドン」の土曜日、「午後は一緒に横浜へ食事に行きませんか?」と叔父が誘ってくれたのですが当時は小6。
叔父と2人で出かけるのがとても気恥ずかしく、叔父と二人で出かける姿を知り合いに見られたら……と思うだけで美味しい食事よりも自己保身を優先しました。
その約束の日、学校からわざとゆっくりと帰宅をしました。
帰宅すると叔父は一人横浜へ向かった後でした。年頃のせいだと言えばそれまでですが、申し訳なさも入り交ざるそんな思いを正直に誰にも話せるわけでもなく。
叔父は「また今度ごはん行きましょう!」と笑顔を見せて北海道へ帰っていきました。こんな失礼な態度をとっても叔父の優しさは何も変わりません。
中学生の頃は祖父母の暮らす北海道にお小遣い欲しさで出かければ、叔父は休暇を取りさまざまな観光地へ連れて行ってくれました。
高校生の頃になると学校や部活動も忙しくなり、祖父母のもとへ遊びに行くことはなくなりました。私が結婚して夫を紹介することになる23歳の頃、叔父はお祝いに駆けつけてくれました。
いつも叔父は私を大切に思っていてくれたことを、こうして振り返ると胸が熱くなります。
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