とにかく、スラバヤでは美味しい店が多く、食べることが楽しい。ただ、日本人の経営している店や中国料理店以外では、アルコール飲料を置いていないところが多い。
インドネシアは美味しい果物にも恵まれていて、バナナやスイカは年中食べることができる。インドネシアのマンゴは外が緑色、熟したマンゴは果肉がオレンジ色で柔らかく、糖尿病の人は食べるのを制限されるくらいとろけるように甘いが、伝統市場に行くと一キロ百円あまりで買える。その他、マンゴスチン、パパイヤ、サラック、ランブタン、ドラゴンフルーツなど美味しい果物が数多くある。
第五章 インドネシアの旅を楽しむ
初めてのインドネシア旅行
インドネシア大学の授業が始まって一か月ほど経った二〇一一年の九月、世間ではレバラン休暇は終わっていたが、大学はまだ授業が始まっていなかった。急遽、『地球の歩き方』を片手に古都、ジョグ・ジャカルタに向かった。
強烈な日差しの中、だだっ広い公園に敷かれた石畳をガイドと一緒にしばらく歩くと、真っ青な快晴の空を背景に黒い石を積み上げた巨大な塔がいくつも現れた。プランバナン遺跡群の中心寺院ロロ・ジョングラン寺院である。
その中でもシヴァ神殿は十五階建てのビルディングに相当する四十七メートルで最も高い。それぞれの塔の壁面には気が遠くなるほど多くのレリーフが彫られ、その周辺には黒い瓦礫が散乱している。
プランバナンの遺跡群は十六世紀の大地震で多くの寺院が破壊され、その後、放置されていたが、一九三〇年代に修復が開始され、一九九三年に完了した。ところが、二〇〇六年に起きた中部ジャワ地震により、再び崩れ落ち、私が訪問した二〇一一年は、まだ修復作業中であった。
九世紀、ジャワ島中部は、ボロブドゥールを建造した仏教王国のシャイレンドラ王朝とヒンドゥー教国のサンジャヤ王朝によって統治されていたが、サンジャヤ王朝の王はシャイレンドラ王朝から姫を妻として迎え入れた。このロロ・ジョングラン寺院は両家の婚姻を記念して建造されたといわれている。
次回更新は3月27日(木)、8時の予定です。
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