さらに時事、社会問題などについてパワーポイントを使ってプレゼンテーションを行いオーディエンスと議論したり、法律用語をその場で暗記させられ、それらの単語を使って模擬裁判を行ったりという授業もあった。

インドネシア大学学部の学生も数多くのテストやレポート提出で勉強漬けの生活を送っている。我々の大学生時代とはずいぶん様子が違う。

今更ながら、BIPAの授業に関する情報や長期留学に必要なビザに関する情報を事前に収集しておくべきであったと反省した。

インドネシア大学で出会った人々

インドネシア大学留学中の一年間は、私にとって、とても長い一年であった。

BIPAⅠのころは時々、クラスメイトが集まり、デポック市内やジャカルタでパーティーを行った。一度、韓国人女性の家に他のクラスメイトと一緒に招かれ、本場の韓国家庭料理をご馳走になった。

ご主人が駐在員だそうで、ジャカルタ市内の高級マンションに住んでいる。彼女の子供はアメリカの大学に行かせるつもりで、彼女も韓国に戻りたくないという。

BIPAⅡになると、時間的余裕がなくなってきた。そんな中で同じクラスになった四十過ぎの韓国人男性とは、授業で一緒に共同発表をすることになって以来、時々、一緒に食事に行くようになった。

彼は子供を祖父母に預け、奥さんと一緒にBIPAに来ていたが、BIPAⅡを終了したら、東ティモールに行って牧師になり、その傍ら子供たちにサッカーを教える予定だという。韓国人はあまり母国に戻りたがらないようである。いつかは日本に戻りたいという日本人が多いのと対照的である。