事例(3) 在庫を分解して、別々のアクションを!
「在庫はダメ! 悪だ!!」と若い頃に課長(生産技術課長)からいつも言われていた。時々、「どうしてですか?」と聞くと、答えは「金利分を損する」と言われた。
経営分析、財務会計の知識がなかった時代でもあり、まったく自分の腹には落ちていなかった。「何かあった時に困るんじゃないか?!」と腹の中で、反発していた。
生産技術の担当だった時代に何度かトヨタ自主研を受ける立場になったものの、指摘された中間在庫の多さに対して、距離を置きその場しのぎのハード対策に注力し、真剣にやっていなかったと反省しきり。
在庫は、「分類する」必要がある。
その内訳は、① 通常分、② 振れ対応分、③ 直差・休日差分、④ 非常手持ち、以上でおしまい。
それぞれには、対応責任部署が異なる。②の「振れ」は、営業、生産管理の仕事、③の「直差・休日差」は、人事、労務関係の担当であるし、④の「非常手持ち」は、主には保全、生産技術。設備故障時の代替設備、代替ラインの設定や、修理に必要な時間、修理部品の確保量、調達までのリードタイム。
ところが、よく見かけたり、聞くのが「安全在庫」。これが一番のくせ者。私は、これを「安全在庫=非常手持ち分+安心分」と定義している。「安心分」とは、「工場責任者や経営者が、安心して枕を高くして寝ていたいもの」。これは、「ゼロ」で良いはず。