流星から飛び降りると、トムが三人に笑顔で言った。

「父上と母上のための最適な墓場を見つけた。村を一望できる小さな丘の上だ。父上も母上もきっと喜んでくれるはずだ」

トムは一人で朝早く起きて、両親を埋葬する為の墓場探しをするためにその丘に登ってきたらしい。

「父上も母上もあの黄色い花の丘が大好きだった。そこに墓を作ってやりたい。きっと心安らかに眠ってくれるだろう」

そう言うと、リチャードとラニーの肩に手をかけて、二人を見ながら彼らの心の中を察するように話しかけた。

「心配するな。お前たちの母上はきっと無事だ。俺達が必ず助けてやるからな」

流星は子犬だったジュピターが隣国からもらわれてきた時から知っている。その時からジュピターは流星を見ると、いつもその周りをくるくると走り、かわいい声で吠えながら流星と遊ぼうとした。

流星は最初はジュピターを気にもかけていなかったが、やがて流星もジュピターを見ると家族のように親しく時間を過ごすようになった。

この駿馬とジュピターには何か通ずるものがあるらしい。トムとユージンは彼らを見るとそう感じるようになった。そして、いつしかジュピターを見ると流星は力強く前足を上げて喜びを現すようになった。そんな時、ジュピターは蒼い目を光らせ、独特の遠吠えをして応えた。

遠吠えするジュピターを見ると、流星の勇ましい身体からは湯気が立ち、それが強い朝日を受けると七色の虹のように輝いて見えた。その流星の姿を見てジュピターは全身に燃えるようなエネルギーを感じ、呼応するのだ。

    

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