第三章 病気との付き合い方

手術後―医者との面談

[円形脱毛・白斑 ― 新しい問題]

大腸癌の手術後、一年ほどして抗癌剤も使っていないのに、円形脱毛と尋常性白斑が起こった。一、二カ月のうちに、髪の毛の大半が抜け、生えてくるのは白髪になった。また、肌が白くなる、いわゆる白なまずになった。

二つの皮膚科で診てもらったが、処方は塗り薬かホルモン剤で、どちらもお断り申し上げた。どうやら、「原因は、自己免疫疾患」ということで、免疫系機能に異常が生じ自分の体の一部分を異物とみなして攻撃してしまうということらしい。

肌はメラニン色素という色素によって、紫外線から肌を防御している。そのメラニン色素を作るメラノサイトに対して抗体がつくられ、メラノサイトが破壊された結果、メラニン色素を生成することができなくなり、肌や髪の毛の色が白く抜けてしまうということらしい。

精神的には問題がないとは言い切れないが、肉体的には特に支障はない。見かけが著しく変わってしまったので、似顔絵の方を更新したくらいで、後は何もしないことにした。

手術後、六年くらいの間は定期検診に行っていたが、再発も転移も兆しがないから、もういいでしょうと言われた。大腸癌は完治と決めることにした。