仙台虚空蔵山大満寺縁起
おそらく大満寺が経ヶ峰にあった際に青葉山から見て丑寅の方角(鬼門)を護る場所にあったためにその時期に丑寅守護になったと思われます。現在の地、仙台市太白区向山へ移されたのが万治二年(西暦1659年)、現在から遡ること約三百六十五年前のことで、先述の通り虚空蔵堂は安土桃山期の代表的仏堂建築として文化財となっています。
奥州藤原氏が虚空蔵山大満寺を創建した時代は戦乱の世で疫病や飢饉で庶民が大変苦しい時代だったと思います。無事に明日を迎えることができるかさえ分からない中で心の安寧を求めて御神仏さまに救いを求めて寺社が創建され、平和な世を願い心の安寧を求めて千躰の観世音菩薩さまが一体一体と彫られ、祀られていったのだと思うのです。
仙台を一望できる虚空蔵山頂からの景色を一度でもご覧いただければご理解いただけると思います。
奥州藤原氏、伊達政宗公はじめ昔の方々の願いというのは、平和を冀(こいねが)い健やかなる安寧を求めてこの場所から仙台を守ってほしいというものだったと思うのです。それは様々な不安(疫病、地震、異常気象、世界情勢等)に直面する現代に生きる私たちにも通じると思うのです。
創建から八百六十年の時が過ぎ二度の御遷座(ごぜんざ)を経た今においても、この虚空蔵山頂を含めて大満寺境内は仙台市内でも有数の浄域であり心の安穏を得ることができるパワースポットとなっているのです。
御祈祷とは感応道交の世界
御参詣及び御祈祷にお越しになられる方は、信心真心(しんじんまごころ)を携え安心を求めて近隣遠方問わずお越しになられます。私たちにとって信心安心を持って人生を歩むということはどのような意味があるのでしょうか。
御祈祷とは御神仏さまへ諸願成就を期して身を投げ打って祈りを捧げることです。