結局、私は父や母からの愛情を欲している小さな子どものままで時計の針は止まり、それが私の何かを狂わせていたように感じる。

私は一樹と一緒にいるのに、ネットでなんとなく援助交際を始めてしまった。

特に理由はなかった。

一樹に不満があるわけでもないのに、どうしてそんな事をしてしまったのだろう。

たまたま知り合ったかなり年上の男性と定期的に会うようになった。

結局その人と半年くらいそういう関係だけが続いた。

一樹に嫌われたくないはずなのに、知られたら嫌われるようなことをしている自分。

私は常に矛盾だらけだ。

一樹と暮らし始めてもまだ人形のように感情が死んでいる部分があった私は、淡々とその人と会い、ホテルに入り、まさに感情のない冷え切った人形のように淡々と男の要望に応え、電車で一樹のアパートへと帰っていた。

半年ほど経った頃、私は、その人と会うのをやめた。

それも特にこれといった理由はなかったけれど、一樹は私の微妙な変化に気づいていた。

いつも思う。

なぜ、私の裏の行動に気がつくのだろう。

些細な私の変化を、一樹は一度たりとも見逃さなかった。

     

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次回更新は1月12日(日)、21時の予定です。

  

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