毎日毎日、そんな苦痛な時間を過ごしていく中で、私は自分の部屋では、ひたすら音楽を聴きながら、ただだらしなく、布団に転がっているだけの日々。父には「怠けているだけだ」「頑張りが足りない」と罵られた。

この現状を打破したくても、りょうくんとの出来事を話せない以上、何も変わらない。私は、完全に孤立し、生きているのか死んでいるのかさえも分からなくなりそうだった。

この、言葉にできない辛さ。

―どうして分かってくれないの?

―これ以上、私はどう頑張ればいいの?

そして、りょうくんとの出来事の意味を理解してからというもの〈りょうくんがそんなことをするわけがない〉〈私の受けとり方が悪かっただけだ〉という、りょうくんを庇っているともとれる、意味の分からない思い込みに自分を責め続け、とても長い期間苦しめられた。

そして、私が中学生になったときに兄と部屋がわかれ、私の部屋として母と父の寝室であったあの部屋をもらった。

りょうくんはあの出来事の後でも変わらず、何度も家に遊びに来ていた。基本的には、兄と遊ぶためだが私は彼を避けるようにしていた。

りょうくんが家に来るたび、私は身体がこわばり緊張感が走る。一人部屋になって、どこか安堵感があったけれど、それも消えることとなった。

数回、りょうくんは私の部屋に入ってきた。

【前回記事を読む】(お母さん!助けて!お母さん…)―小学5年生の私と、兄妹のように仲良しだったはずの男の子。部屋で遊んでいたら突然、体を…

 

【イチオシ記事】遂に夫の浮気相手から返答が… 悪いのは夫、その思いが確信へ変わる

【注目記事】静岡県一家三人殺害事件発生。その家はまるで息をするかのように、いや怒っているかのように、大きく立ちはだかり悠然としていた