「はい。分かりました」

さすがの真琴も意気消沈している。声に元気がなかった。

「それでは、最後に何か質問はありますか?」

「……いえ」

ふたりはうなだれて教授室を出た。

教授室を出たふたりは揃って学食へ向かう。関根教授から受けた課題のショックで足取りは重い。

学食は空いていた。お昼休みはもう終わりかけの時間のようだ。

「ねぇ、真琴。あの隣の家が親戚っていうの、よく思いついたねぇ」

席について、あずみは改めてさきほどの援護に礼を言った。

なんであれ嘘までついて弁解してくれた真琴に感謝している。

「あぁ、あれね。だって、パパはあの団地の人たちとは仲良かったわけでしょ。親戚くらいの親密さがあっても不思議ではないと思ったの。ちょっとそれを飛躍して話しただけよ」

「飛躍ねぇ……」

飛躍というより嘘ではないか?あずみはそこについては黙っていた。

真琴はいつもの元気を取り戻したようで、ちゃっかりAランチの注文を済ませてきていた。あずみは今の激戦ですっかり食欲は失せている。

「それにしても問題は課題レポートよねぇ」

真琴がつぶやいた。今度はふたりの中で課題レポートという現実が重くのしかかる。

  

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