海外留学というアイデア

ある日、図書館で『熟年留学のススメ』というタイトルが目に留まり、借りて帰った。

この本には五十歳を過ぎてからの海外留学のガイダンスや著者である林信吾の体験が書かれている。念願の海外の生活を楽しみながら、久しぶりに学生としてのんびり勉強をするのも悪くはない。英語圏に留学すれば、その国の文化に接しながら、英語漬けの海外生活を送ることになり英語力を伸ばせる。留学しながら現地で仕事を見つけることができれば、一石三鳥である。

早速、ネットで「東南アジア 留学」で検索したところ、ある留学斡旋エージェントのウェブサイトでマレーシア、インドネシア、中国などいろいろな留学先が紹介されていた。

調べているうちに留学に対する期待がどんどん膨らみ、海外生活という夢にだんだん手が届くような気がしてきた。留学費用は自分の生命保険の満期解約金を充て、単身で留学するという条件で妻には了解を得た。

海外就職についてネットで調べていたところ、十一月中旬にグローバル人材塾(現GJJ株式会社)主催の「海外就職準備説明会」があることを知り、早速、参加を申し込んだ。実は、このことがその後の私の人生を大きく変えることとなった。

説明会の第一部の全体会では海外に強い人材紹介会社、JACリクルートメント(以下、JAC)の中国、タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポールの代表からそれぞれの国の就職事情についての説明があった。

質疑応答の時間で、私は営業系の五十歳代以上で就職が可能な国を質問したところ、中国かインドネシアという答えであった。シンガポールは五十代以上の就職はほぼ無理、マレーシアは五十代以上でも工場管理であれば求人があるが、営業系はほとんどなく、タイも当時、求人は六十歳までとのことであった。

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