1章 人生の転機に人は母校を訪れる

「せっかくの誕生日なんだから、そうね、あさみの未来でも占ってあげようかな。さて ……と。じゃーね、あさみは生涯に何人、子供を産むか」

手の中からカードを一枚取り出し、中央に置いて表に返した。ダイヤの7が出た。

皆、明らかにげんなりした表情に変わった。つまんないこと始めたもんだ、こんな単純な占いなんか誰が面白がるか、と。ここでも理緒子の才能を見ることになるとは誰も思わなかった。

「7人?」

理緒子がカードを見て眉をひそめた。「でも、あり得ないことじゃないわね。あさみは21とか22とかでお嫁に行きそうだもん。23歳ぐらいで産み始めたとしてよ、40歳までに7人なんて、ちょろいもんかもしれないわ。じゃ、最初の子は女か男か。赤が女よ」カードが引かれ、ダイヤの7の上に置かれた。スペードだった。

「男の子だ。あさみの性格からしたら、最初が男の子じゃ苦労しそうね。アタフタしてるとこが目に見えるわ。じゃ、2番目は?」

ハート。よかったじゃん! と事実であるかのように目を丸くした。次、夫の年収は? 百万円を単位にしよう。結婚何年目で家を建てる? 借金はいくら?

「ところで、夫の浮気相手は何人か?」