そこで、高校での勉強法を大きく見直すことにしたのだが、参考にした『難関校受験合格体験記』や『灘高校生日記』などを読んで、全国トップクラスの進学校の授業スピードに愕然とした。

灘高校では、高校2年生までに受験科目のすべての過程を終了し、最後の1年間は完全な受験対策勉強になるというのだ。中高一貫校ならではの勉強法であろうが、最近では高校1年生で終了する私立学校も出てきているという。

単純な計算では、中高一貫校の高校と地方の県立高校では、高校入学時点で、1500~3000時間の勉強量の差があるということだ。

地方の高校生がこれらの都会の高校生とどう戦えばいいというのだろうか。当然のことながら個人ごとにその方法論は大きく異なるだろう。

その解答を出すのに悩みに悩んだ。勉強時間の差をカバーするために、とんでもなく無理な勉強計画を立てるしかないと思い詰めた。一方で、実を強く元気づける事実も見つかった。近い親戚に、旧制第一高等学校、東京帝国大学を卒業した方がいたのだ。

加えて、あの時代にあって、母方の祖父「福田長一」は盛岡高等農林学校(現在の岩手大学農学部)、母方の祖母「いへ」は共立女子専門学校(現在の共立女子大学)という高等教育を受けていることがわかった。

それ以降、自分の能力がどの程度のものなのか、難関大学を受験して試してみたいと思う気持ちが次第に強くなっていった。

実はどういう勉強法が自分にあったものか答えをなかなか見出せないまま、高校2年生になった。

この頃は、愛読書が日比谷高校の英語教師であった森一郎先生の『試験に出る英単語』『試験に出る英熟語』で、ほかにもやたらといろいろな参考書(『大学への数学』『チャート式シリーズ』など)、大学受験ララジオ講座(旺文社)や通信添削(Z会)に手を出す受験生になっていた。

結果として、勉強に時間をかけている割に成績はあまり伸びなかった。

これではいけないと高校3年生になって、自分の実力にあうと思われた参考書とラジオ講座だけを繰り返し行うことにした。まったく歯がたたなかった通信添削は真っ先にやめることにした。

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