「僕? 過去にですか? しようと思ってしたわけじゃないけれど、結果的にそうなったことは何度かありましたよ。試してみますか?」

秀司は冗談で言ったつもりだったが、役所の担当者を相手に少し言い過ぎたかと思っていたところ、

「今日は女子のイベントの日だからダメ。今度都合の良い日にまた二人で会いましょ!」

という意外な答えが返ってきたのだった。

まさかこのような展開になるとは思ってもいなかったが、渋谷駅から少し歩いた住宅街の中にある豆腐料理の専門店で再び会うことになり、その席が人目に付きにくい奥の座敷だったこともあって、自然に触れあった。

最初は笑いながら身体に触れる程度だったが、いつの間にかお互いの太ももに手を置き、話が途切れたときに軽く唇を重ねた。

二人ともある程度そのつもりだったので、お店を適当に切り上げて道玄坂の方に歩いたのだった。

その後も月に二回くらいの頻度でオトコとオンナになった。

美月は夫と二人の子供がいる四人家族だったが、秀司と関係を持ったのはモラハラ夫との離婚を真剣に考えている最中のことだった。

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次回更新は8月22日(木)、20時の予定です。

 

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