家族の中の孤立

それからは、晴れた日が好きになった。広い庭に出て自由に過ごせることを知ったからだった。ママさんも出てくるが、外に置いてある椅子に座ってぽろもきの様子を眺めているだけだったので、部屋の中よりもリラックスできた。

そこには、あのお手伝いさんが教えてくれた自然があった。手入れされた芝生と何本かの種類の違う木が植えられていて、大小の岩も配置されていた。地面には、草花も生えていて、虫も見ることができた。

ぽろもきが特に好きだったのが、アリとてんとう虫だった。虫を観察することは飽きなかった。アリが巣に食べ物を運ぶ様子は、本当に見ていて楽しかった。

彼らは庭の広い範囲に広がり、食べ物を探していた。1匹それぞれの探索行動はゆっくりしていて、見ているだけでほのぼのとした気分になった。そして、巣穴に向かって虫の死骸を運び入れる様子が面白かった。

てんとう虫は、丸い甲羅のような身体でちょこちょこ動く様子が面白かった。棒状の草の茎や小枝の上に上っていき、最後は羽を広げて別の場所へ飛び立つシーンが好きだった。どこへでも飛んでいけるてんとう虫がうらやましかったような気もする。

こんなことを全くできなくなるのが雨の日である。雨の日は、悲しかった。もっと悲しいのは、冬である。庭に枯れ葉が落ち出す時期には、寒いからという理由で外には出られなくなる。

毎年、冬がとても長く感じられ、ママさんにもそれが伝わり、ぽろもきから幼さが消えて少年になる頃には、ママさんも預かっていることに疲れてしまった。

天野夫婦は、ぽろもきを両親の元に返すことにした。それは、ぽろもきが強く望んでいたことではあった。可愛がられてはいたが、退屈で閉鎖的な人間関係から解放されたのである。

しかし、幼少期を“過保護”というぬるま湯に浸かってきたぽろもきにとって、悲しい時間の幕開けでもあった。