②雇用形態・労働条件
*現在の一番の問題。会計年度任用職員となり、勤務時間、業務内容は同じだが、年収は下がる。
*最大週3日まで勤務の会計年度任用職員で、社会保険は加入対象外。
*設置だけの給料では生活できず、ダブルワークをしている。せめて週休3日を週休2日にしてほしい。
*ボーナス、昇給、退職金はない。将来が不安。転職するにも年齢が危ういので、早くどうにかしなければ…と思っている。
*若い通訳者を増やすためにも、副業ではなく、自立して生活可能な雇用形態にしてほしい。
*正規雇用でないため、制度に対して柔軟に対応できない面がある。
*正規雇用でないと緊急時の対応などがしにくい。
*身分保障が不十分なわりに夜間の緊急対応もあり、重労働だ。研修の場もない。
*非正規雇用の立場なのに全責任を負わされる感じがする。
*雇用期間が3年と決まっているため、モチベーションの維持、長期的な事業計画が企画できない。
*正規雇用でないため受けられる研修が限られておりスキルアップできない。業務も限定的である。
*非正規雇用のため聴覚障害者関連の事業・施策に参加できない、意見をいう場がほとんどない。
*民間の派遣会社が入札により契約。自治体の雇用として通訳者を設置してほしい。
*専門職として正規雇用が望ましい。
*正規雇用で「手話通訳者」という名を、賃金等級表の上級に位置づけたら「やりがい」ができる。目ざす職業にも入ると思う。
*設置通訳者がいない市町でも手話言語条例が施行されている。まずは正規の設置から。
*条例制定などで手話通訳の社会的認知や理解の広がりは実感するが、設置通訳者の身分や待遇などは10年前、20年前と変わってない。
(注1)日本手話通訳士協会(2004)『まるごとガイドシリーズ⑲ 手話通訳士まるごとガイド』株式会社ミネルヴァ書房
(注2)垰田和史(2021)『雇用された手話通訳者の労働と健康についての実態に関する調査研究報告書─2020年8月調査─』厚生労働省令和2年度障害者総合福祉推進事業,一般社団法人全国手話通訳問題研究会
【前回の記事を読む】【コンテスト大賞特集】社会的評価が低く、待遇が悪い「手話通訳士」は全国的な資格ではあるが国家資格ではない!
次回更新は6月19日(水)、10時の予定です。