第2章 改善活動は、まずベース固めをすることが重要
3 「当たり前」をどうやって伝え、定着させるか!?
よくある事例は、
①通路と工程の仕切り線を越えて、モノが置いてある(少しだから、短い時間だから……が致命傷に!)。
②通い箱の床面への「直置き」禁止。理由を正確に説明してあげる。工場の随所に「プラスチックシート」を置いておく。
「ダメ! 禁止! やるな!」と言っても、いろいろと言い訳を並べてやらない理由を探す人が多い。やりやすいようにする準備も重要。「逃げ道」で助けてやる。
③パレタイザの2段積み、3段積み。場所による。地震対応。
④製品・部品箱の積み上げ高さ。一律に「1400mm以下」とかをトップダウンで号令かけても、各人の腹に落ちていないことは、定着しない。なぜか? 失敗事例の活躍場面。
⑤何度も言うのが面倒だから、「これ(当たり前集)を渡すのでしっかり読んでおけ!」は、手抜き。
4 「考える力」(日本人の得意技)を活かす!
50年間の製造部門中心の仕事を振り返って、「日本のモノづくりの強み」は、「考えて仕事をする」「考えながら作業する」ということ。これは、他国との比較からも言える。
日本の中でも、それなりに選抜された人達が集まっている大手製造会社と、その協力会社やいわゆる中小・零細企業との差もあるが、バラツキ、分布の広さでは日本以外のほうが大きく、またその中での低いレベルに甘んじているケースが多かった。
日本国内での「バラツキの大きさ」もあるが、国民性なのか「より良くしよう、なろう」という姿勢は海外に比べて大きい。したがって、「日本のモノづくりを強くしよう」と考える場合は、この「考える力」を如何に引き出すのかがポイントとなってくる。