如月 二月

4B

人こひしう思ふ歌ども詠みたまふを見奉れば、

◆なほ萎(しを)れ 屈(くん)じたまふや 案じつつ 成りてあらばや 山路の枝折(しを)り

 

【現代語訳】

大切なお方を懐かしむ歌を沢山お詠みなさっているお姿を見申し上げたので、

◆まだ萎れて、しょんぼりと伏せっていらっしゃるのでしょうか、と心配しています。私で良ければ、山の道しるべ(= 枝折り)になっていたいと思います。

【参考】

◆下二段自動詞「萎る」と、四段他動詞「枝折る(道案内する)」は掛詞。

◆下二段「萎る」の活用は「レ・レ・ル・ルル・ルレ・レヨ」なので、初句の「萎れ」は命令形ではなく連用形。この連用形と、サ変動詞「屈ず」の連用形「屈じ」が対等並列して、「たまふや」の疑問形に掛かる形。つまり、「萎れて(いらっしゃるし)、ふさぎこんでいらっしゃるのでしょうか」という意味。これを連用中止法と言う。