カタログから選んだオモチャは、どんなに高くても、すぐにぽろもきの部屋に届いた。ただ、オモチャは1人で遊ぶかママさんと遊ぶかの二者択一だった。

届いた新しいオモチャで遊ぶことが初めは楽しかった。しかし、自分で遊ぶかママさんと遊ぶだけなのですぐに飽きてしまった。

そして一番辛い時間は、夜だった。ママさんと呼んではいるけれど、自分には本当の母親と家があることは知っていた。夜になると無性に家に帰りたかった。

それは何度言っても叶えられないことだった。夫婦が旅行に行く時以外は。毎晩ベッドに入った後、天井の模様を目でなぞって、涙をこぼしながら眠りについていた。

ある日、ママさんがお出掛けをする間、“お手伝いのお姉さん”が半日ほど相手をしてくれた。名前は記憶にない。

この時ぽろもきは初めて、“順番を守りましょう、相手が嫌がることはやめましょう、オモチャを片付けてから次の遊びをしましょう”という面倒くさい指示を受けた。だからこのお手伝いさんは苦手だった。

ところが、その後も度々このお手伝いさんと過ごすことがあり、絵本を楽しく読んでくれたり、同じオモチャ遊びでもママさんよりもはるかに楽しい遊びができた。そして一番楽しかったのは、庭に出て走り回ったり、庭の植物や虫を観察することを一緒にしてくれたことだった。

ぽろもきは、いつの間にかこのお手伝いさんが大好きになっていた。ところが、しばらく続いた後、突然別のお手伝いさんに代わった。別のお手伝いさんは、ママさんと同じように接してきた。つまらなくて、寂しくて、泣けてしまった。