第一章 夢の留学

二度目の短期留学

陽介の一か月の留学が始まる日の朝、朝食を済ませて、学校に向かいました。

今回は、場所は違えども昨年の経験があるので、多少は余裕があるように見受けられました。

昼食を含んだカリキュラムとなっていたため、私は陽介を学校に送り届けたあとは、夕方に迎えに行くまで自分の語学学校で授業を受けることとなります。やはりLASCでも最初はプレースメントテストをうけ、クラス分けのレベルを決めます。

今度は昨年と違って陽介とは別の学校ですので、無理をして、上のレベルのクラスではなく自分に合ったクラスに入ることとなりました。クラスは完全な初級のベーシッククラスでした。

ここの語学学校の生徒はサウジアラビア人が最も多く、次に台湾人、ベトナム人、日本人などで、ヨーロッパからの留学生は少なく、あと南米から数人といった感じでした。

学生の留学生は言うに及ばず、仕事の上で英語を使用する各国の社会人、アメリカに住む日本人などが主な生徒でした。

サウジアラビアの国名は文字通り、サウード家のアラビアという意味で、厳格なイスラム教義を国の根幹としていて、最もイスラムの教えを厳格に守っている国だそうです。

宗教はイスラム教が国教で、このため、国民が他の宗教を信仰することは禁じられており、サウジアラビア国籍の取得の際にもイスラム教への改宗が義務付けられています。

法律で酒類すべてが禁止されていて、最近まで世界で唯一、女性が自動車を運転することが禁止されていた国です。西部にはイスラム教の二大聖地であるメッカとマディーナがあり、世界各地から巡礼者が訪れます。

アメリカにとっては友好国で、カリフォルニアでは、サウジアラビアの運転免許証でそのまま運転ができると、あるサウジアラビアの生徒が言っていました。

サウジアラビア人はイスラム教の開祖である預言者、ムハンマド(モハマッド、モハメド、マホメットなどと発音が変化します)という名をつける人が圧倒的に多く、新しい生徒が入ってきた時に先生は必ずどこから来たのかと、名前を聞きますが、一時一クラスに四人のマホメットがいる時に新しく入ってきたサウジアラビア人の生徒がマホメットであるために先生は一人ひとりを指さして「マホメット、マホメット、マホメット、マホメット、Everybodyマホメット!」と叫んでいたほどです。