【前回の記事を読む】「奥さんを日本に残して息子さんと二人でアメリカへ…奥さんが可哀想じゃないですか」還暦の留学生、面談の質問にどう答える?
第二章 高校留学準備
渡航準備
私たちはカリフォルニアに家を借りて生活するつもりでしたので、当然電気、ガス、水道などの料金を支払うために銀行口座が必要となります。
一般的にアメリカで銀行口座を開設するには、アメリカに行き、現地の銀行での手続きや、SSN(Social Security Number:アメリカの社会保障番号)の提示をすることが必要です。
通常は英語での手続きとなりますが、日本には画期的なシステムがありました。三菱UFJ銀行には、カリフォルニアアカウント・プログラムというシステムがあり、日本に居ながらにして現地のMUFG Union Bank, N.A.(ユニオンバンク)に口座(セービングス・アカウントという日本でいう普通預金口座と、チェッキング・アカウントという日本でいう当座預金)を開設することができます。世の中便利になったものです。
のちにアメリカでの生活が始まった時に、この口座を使用して電気、ガス、水道、携帯電話、ごみ回収料金などの自動引き落としの手続きが、オンラインでできることとなりました。
いよいよ留学の準備が整い出発の日が近づいてくると、これからやってくる未知のことへの期待感にワクワクするのと同時に、えもいわれぬ不安感に苛まれる日々が続きました。
毎晩ベッドに入るたびに期待と不安が入り混じった感情で、寝付けない日々が続きました。そんな時いつも心に言い聞かせていたのは、
「すべてはうまくいく! すべてはうまくいく!」という言葉でした。プラス思考の暗示を、繰り返し、繰り返し、潜在意識に刷り込む毎日でした。
第三章 アメリカ生活スタート
現地コーディネーター
五月に入り、すべての準備が整い、いよいよアメリカへ向かって出発することとなりました。今までの短期留学と違い、いろいろと準備に苦労したことや、これから長い旅が始まるといった思いなどで、まさに期待と不安が入り混じった複雑な感情でした。
十時間のフライトを経て、見慣れたLAXに到着した瞬間、今まで味わったことの無い感覚で「I'm finally here.(ついに来たんだな)」と心の中で叫んだのでした。アメリカでの生活が始まりました。
まず段取りとして、慣れたマリオットレジデンスに部屋を借りて、その間にこれから長く住むことになるレンタルハウスを手配すること、陽介の入学時期が来る八月まで語学学校のジオスに入り、少しでも語学の勉強をしておくこと、カリフォルニア生活で欠かせない車を購入すること、運転免許を取ること、家が決まったら家具を揃えること、電話、電気、ガス、水道の手配、携帯電話の購入などなど。