かわいい声が返ってきました。
「あなたは、小さな星なの?」
「そう。ぼく、今、いねむりをしていたみたい」
「なんだ、ねていたの? 星って、ねていると、光らないってこと?」
「そうなんだ。これは、星たちのひみつだから、だれにもいわないでね」
「うん、いわないよ」
二人は、やくそくをしました。
「うふふ。それにしても、星がいねむりだなんて」
お姉さんは、小さな声でわらいました。そんなお姉さんを見て、小さな星も、わらいました。
すると、どうでしょう。今度は、小さな星が、キラキラ光りました。
「ねえ、君がわらったら、キラキラ光ったよ」
「そうなんだ。これも星たちのひみつ。星は、わらうとキラキラ光るんだ」
「じゃあ、星がキラキラ光っている夜は、星たちが起きていて、わらっているってこと?」
「うん、そういうことになるね」
小さな星が、えらそうにいいました。
「そうだ、お姉さん。これからは、毎日、ぼくに、お話をしてよ。じゃないと、ぼく、すぐに、ねむくなっちゃうんだ」
小さな星が、はずかしそうにいいました。
「お話ね。いいわ、してあげる」
それから、お姉さんは、星がよく見える山のてっぺんに、一人で、ひっこししんぴんてきました。山のてっぺんの小さな家に住み、外に、新品のゆりいすをおき、そこにすわって、小さな星に、話をするようになったのです。
【前回の記事を読む】「たいへん。アジサイさん、また、のどがからからなんでしょ。たおれないでね」