教育面では、昨今、その教育方針が効果がなかったと廃止になりましたが、「ゆとり教育」なるものが地方出身者に厳しい結果をもたらしてしまったことは言うまでもありません。
私立学校のない地方の街では、まともにその影響を受けてしまったのです。ゆとり教育を取り入れる時、
「子どもたちの将来はどうなるのだろう?」
「教育格差はますます広がり、将来都会に住む子と受験で戦わなければならないのにどうするのだろう?」
そんな不安を私の子どもが通う学校の先生にお話しすると「お母さん、古いですね」と、一蹴されてしまいました。
この時、一人の人間が叫んだところで何も変わらないことを痛切に感じました。いつの世も被害を受けるのは取り決めをする大人ではなく、人生を大きく左右される子どもたちなのです。
しかし、格差をまともに受けている地方都市であっても、優秀な子どもを育てている親御さんもいます。私が長年観察してきて思うのは、親の意識の差が子どもたちの進路を決めているのだということ。
意識の高い方は早くから子どもをどのように導くかを考えており、そのための情報の収集力には目を見張るものがあります。子どものために一生懸命な姿を日々見せているので、親子の信頼関係は厚く、子どもも従順です。決して無理強いしてはいないのです。
このように書いていると学力がすべてのように受け取られがちですが、私は勉強ができればそれでよいという考えは嫌いです。将来にわたって人と関わって生きていくわけですから、大切なのは人間力と思っています。この人間力は勉強だけしていても育まれません。