小説 詩 恋愛 2024.02.10 詩集「ホロス」より三篇 不思議 ふしぎふしぎ ああふしぎ 背中に羽が生えて 列車がばびゅんと走って 私はどこへゆく おまえはどこへ連れてゆく こらこらまちたまえ こんなところにおいてゆくな おいおいおいおい おいかけっこ まてまてまてまて つかまえて 【前回の記事を読む】詩集「ホロス」より三篇
小説 『眠れる森の復讐鬼』 【新連載】 春山 大樹 赤信号無視の乗用車が、トラックに衝突し大破した。シートベルトをしていなかった重症の若者が搬送された、その病院の医師は… けたたましいサイレンの音が鳴り響いている。そしてその音は嫌な気持ちになる程どんどん大きくなってきて、すぐそこまでやってきたと思ったら突然聞こえなくなった。ERの自動ドアが開いて救急車から下ろしたストレッチャーを白いヘルメットと青いコートを身に着けた二人の救急隊員が中に運び入れた。ストレッチャーの上で、頸椎カラーを装着され、オレンジ色のクッションで頭部をバックボードに固定された若い男が苦しそうに冷…
小説 『雲海のエガミ』 【第20回】 こた 倒れている老人を助けたところ、「優しくしてくれたお礼に…」とあるものを渡され、そのあと老人は息を引き取った 一方、ラ・エンカは、大幻透視師ミヤンから教わったエデンの花の生息地に向け旅を続けていた。エデンの花は開眼の実と言う名の実が生り、その実を食べると知りたい情報を頭の中で見る事が出来た。エデンの花の生息地は毎年変わり、見付けるのが困難の為、幻の花と言われていた。一説では、エデンの花が咲く上空には、記憶の森があり、その中心に在ると言われるクレアーレの泉から滴り落ちた水からエデンの花が出来るのではと噂さ…