小説 詩 恋愛 2024.10.30 「詩集」ホロスより三篇 ホロス 【第8回】 rim. 何かひとつでも、あなたの心を軽くするヒントがきっとある――。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 季節のゆるやかな移行とともに、誰しもが経験する様々な感情をのびのびと描いた詩集。※本記事は、rim.氏の書籍『ホロス』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 急ぎ足 あまりにも生きてきたのに まだ生き足りないのか 愛なんて語る資格はないのか 時々若さに辛くなる あと幾つ歳を取れば 愛について語ってもいいですか
エッセイ 『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』 【最終回】 市川 友子 殺し屋の看護師たちが私にのしかかっていた。とうとう腰の骨を折られて殺されると覚悟した。 幻覚と現実の交差注射器で毒を打たれそうになり、私は打たれまいと速い呼吸を繰り返していた。「落ち着いて、深呼吸して、ゆっくりと」看護師さんの顔が目の前に見えた。点滴の針を取り替えているところだ。それなのに殺人鬼扱いされたのでは、看護師さんもたまったものではない。私はラジオ局に助けを求めた。病院に監禁されている私と家族を助け出してくれと訴えた。しばらくすると大勢の人が病院を取り囲み、何人かが病院に侵…
小説 『いつか海の見える街へ』 【最終回】 須賀 渚 彼女は一人でいってしまった。墓参りに行くと「お骨はまだ入っていません。」!? そんなはずはない。だって… 【前回の記事を読む】「ここに私のお墓を買ったの」――外出許可を取った彼女に頼まれて静岡へ。目的地の公園には、海を見渡せるベンチがあって…扉が開いて、以前にも会ったことのある婦長が現れて「面会室」と書かれた部屋に案内された。向かい合わせの椅子があり、座るようにと手で示した。向かいに腰を下ろした婦長は、低い穏やかな声で話し始めた。年末の風邪の症状から高熱を出し、さまざまな治療が試みられたが、免疫力が…