まず自分で考えてみる社員
一般的に本社はいわばその会社の頭脳にあたる部分で、経営方針や経営計画を策定してそれを支店などに周知徹底し、支店などで働く社員は、本社が作成した計画や本社からの指示、命令、通達にしたがって業務を行ないます。
このように書くと、そんなことは当然で、日本の会社も外資系でも違いはないはず、と思う人が多いと思います。確かにそうなのですが、社員の考え方や行動にかなり違いがあります。
日本の会社では、社員は本社の指示や命令に忠実にしたがい、指示されたことをとにかく実行することに全力を尽くします。
営業を例にとると、本社は年間の営業予算を決め、それを達成するための具体的な方策を支店に指示します。支店長や支店で働く社員は、その方策を実行してその年度の営業予算の達成を目指します。
また、日本の会社では、本社と支店の間の人事異動は定期的に行なわれるので、本社から支店に転勤してきた支店長や社員も、ひたすら指示にしたがって本社の作成した計画を実行します。
実行する過程で、本社が作成した計画よりもさらに効果的な方法が見つかっても、本社の指示がなくてもそれを自分たちで実行してみる、上司を通してそれを本社に伝える、といった行動をすることは一般的ではありません。
これはまさに後で述べる「指示待ち社員」の一例です。このような社員の思考態度は、いい意味では、全社員が一丸となって本社の作成した計画をひたすら遂行できることにあります。
しかし、本社の営業計画を地域に合わせて修正して実行する、営業の過程で発見した新たな手法を適宜導入する、といった柔軟性に欠ける問題もあります。
外資系ではどうでしょうか。もちろん外資系であっても、本社の指示命令にしたがわないで支店長や社員個人が勝手に仕事をする、営業であれば自分が思ったように勝手に営業に走る、ということではありません。大きく違うのは社員の思考態度や発想の原点、英語でいうマインドセットです。