エッセイ 人生論 短歌 生き方 2020.07.21 白き錠剤掌(てのひら)に置く 短歌集 生きる 【第10回】 田中 祐子 心かが折れてしまいそうなとき、 寄り添い支えあう、心の歌。 原爆の悲劇、夫との死別、複数の病との闘い……。時代に翻弄されながらも困難と向き合った歌人が、自らの経験を生きる糧に代え、詠みあげる709首。平和で豊かな未来を願い、いまを生きる人に伝えたいメッセージを、連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 第一章 独り 写真を拡大 老いる 写真を拡大
ビジネス 『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?[注目連載ピックアップ]』 【第8回】 中山 てつや,中山 てつや 同期で「えい、やー!」と給料明細を見せ合うと、飛び抜けて多い人がいた。中身を見ると、「家族手当」が追加されており、その額は... 【前回の記事を読む】友人は「人事は見ているから」と言ったが、本社からの異動は、実質的には片道切符。めったなことでは本社に戻れない仕組みになっていた。 古き良き年功序列は根強い人事評価の仕組みを、自分のためだけに、ひとりで作り上げることはできません。評価制度は、入った会社にすでに存在しているもので、その枠の中で工夫を凝らしながら、上手に泳ぐ術すべを、身に着けていくことになります。世の中には、いろい…
小説 『ディワータの島』 【新連載】 しのぶひろ フィリピンに訪れていた二人の日本人。蒸し暑さ、独特な匂い、慣れない異郷の地で彼らは"ある島"に向かっていた バタンガス[1]の港には昼前に着いたが、プエルトガレラ[2]へ渡る船は今しがた出たばかりのようだ。客はみな、船着き場の薄暗い待合室で、次の便まで二時間近く待たなければならなかった。待合室の中は、東南アジアの町に特有の、あの焦げた油に酢を混ぜたような匂いが充満していた。蒸し暑くて淀んだ空気の中で、飲み物や菓子、パン、原色の果物類、匂いの強い串焼きの肉などを売る店が、ところ狭しと軒を連ねていた。通り…