俳句・短歌 歌集 自然 2023.07.12 歌集「緑葉の里」より三首 歌集 緑葉の里 【第16回】 上條 草雨 大いなる自然と文明遺産に抱かれて この地球(ほし)に住まう この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 枯れ枝えだで寒さに耐えた街路樹に新生命しんせいめいの青葉あおば萌えてる 夕闇に赤紫の柴の花色濃いろこさを増す美しさ哉 電灯に照らされ浮かぶ蛾一匹がいつぴき近づき行ゆくと闇夜に消えた
小説 『再愛なる聖槍[ミステリーの日ピックアップ]』 【新連載】 由野 寿和 クリスマスイヴ、5年前に別れた妻子と遊園地。娘にプレゼントを用意したが、冷め切った元妻から業務連絡のような電話が来て… かつてイエス・キリストは反逆者とされ、ゴルゴダの丘で磔はりつけにされた。その話には続きがある。公開処刑の直後、一人の処刑人が十字架にかけられた男が死んだか確かめるため、自らの持っていた槍で罪人の脇腹を刺した。その際イエス・キリストの血液が目に入り、処刑人の視力は回復したのだという。その槍は『聖(せい)槍(そう)』と呼ばれ、神の血に触れた聖(せい)遺物(いぶつ)として大きく讃えられた。奇跡の逸話(…
小説 『上海の白い雲』 【第10回】 河原 城 妹が天国に逝った。幸せな人生を送らせてあげたかった。お金を貯めて、大きな病院に入れて、私が毎日お見舞いに行って… 《小詩(シャオシ)、天国で楽しく健やかにいることを祈っています。あなたのことを忘れることができません。母亲(ムーチン)からの手紙を領事館から受け取りました。小詩(シャオシ)が天国に逝ったことを知りました。小さい時から不自由な体で希望の持てない人生を送らせてしまいました。病気を克服して、人としての幸せな人生を送らせてあげられなかったことが、残念です。最後に一目小詩(シャオシ)に会いたかったのですが…