俳句・短歌 歌集 自然 2023.06.15 歌集「緑葉の里」より三首 歌集 緑葉の里 【第14回】 上條 草雨 大いなる自然と文明遺産に抱かれて この地球(ほし)に住まう この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 春はる巡めぐり紋白蝶がヒラヒラと雑草ざっそうの上柴しばの上舞う 宵闇に多種たしゅの庭の木其々それぞれに希望宿やどして佇んでいる 爛漫らんまんに誇り咲いてるパンジーが春の日差ひざしに気持ち良く揺ゆれ
小説 『毎度、天国飯店です』 【第6回】 竹村 和貢 サークル勧誘チラシの前で、『徒然草』を抱えた美人と出会った…。 天国飯店の定休日は毎週火曜日。アルバイト生四人で、月曜から土曜の間の五営業日を分担する。四人のうち誰か一人が二営業日に入る。その者以外の三人のうちの一人が日曜日に店に入る。日曜日は大学が休みなので、朝の十時から閉店の午後九時まで十一時間店に入ることになる。「ほな、俺、明日もバイトやさかい、おっちゃんに自分のこと話してみるわ。多分、おっちゃんも構へん言わはる思うねんけど」夏生は、「できない」とは思…
小説 『ぼくの地球』 【第12回】 織部 和宏 彼は永遠であり、価値の限界の模索であり、また青春への回帰である。 新しい日本人、大袈裟に言えば、そういうことだ。だから、私は彼から目を離すことができなかったのだ。彼は実に多くの示唆に富んでいる。彼は永遠であり、価値の限界の模索であり、また青春への回帰である。私もそうだが、彼もまた無常を支持しない。無常は信仰の障害でしかなく、神の普遍性を著しく棄損せしめる。瞬間は永遠と離反し、私たちは存在の機軸を失う。そして、それを回避するために決して避けては通れないのが愛の問…