【前回の記事を読む】一次予防から三次予防まで分けられる…「5段階」の健康レベル
急性期
急激で短期間の激しい健康状態の変化を急性といい、その変化に生体が適応するために様々な反応を起こしている時期を急性期という。
経過は短期間で回復する、死に至るあるいは慢性期へ移行する。急激な変化に患者、家族は対応できない場合もあるので、適切な治療と看護が必要である。
急性で重篤な患者は集中治療室(ICU;Intensive Care Unit)での治療と看護が行われる。ICUとは、「内科・外科系を問わず、呼吸・循環・代謝・その他の重篤な重要臓器の急性機能不全の患者を収容し、強力かつ総合的・集中的に治療・看護を行う部門」である。
救命と生命維持が最優先であるICUではオープンスペースとなっており、ベッド周辺には患者監視装置(モニタリングシステム)や多くの医療機器が置かれている。
患者の面会時間に制限があり、家族が付き添うこともできないため、患者は精神的に不安定な状況になったりする。
また、家族も医療者から患者についての説明を受けていても、患者の急激な変化や患者に何もできないという思いから不安や不満を抱くこともあり、それが医療者への不信感につながる場合もある。
慢性期
慢性期とは、健康状態が比較的安定しているが、疾患の経過が長い、あるいは完全な治癒が望めない状況にあり、病とともに生活を営んでいくことが必要となる時期である。
再発予防や身体機能の維持・改善を目指した長期的なケアや治療が必要である。慢性疾患には、生活習慣病と難病があり、定義は以下のとおりである。