俳句・短歌 四季 2022.06.01 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第109回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 幾羽いくわもの野鳥の群れに驚きと 蜻蛉一匹漂うを見る 草の上木々の傍かたわらあちこちに 紋白蝶が清純せいじゆんに舞う 電動車でんどうしや沿道走る気持ち良さ 樹木の香る清涼な風
エッセイ 『カサンドラ症候群からの脱却[人気連載ピックアップ]』 【新連載】 Happy Navigator 那美 妊娠4ヵ月目の裏切り......夫が会社の同僚と肉体関係を持っていた。「だってお前が、子どもを欲しがったから」 夫とは、私の会社の同僚の友人という形で知り合い、1年半のお付き合いの後、結婚しました。もちろん、幸せになるために結婚しました。子どもたちと一緒に温かい家庭を築くことが目標でした。1年半のお付き合いの中でも、私は特に彼に違和感を持つことはありませんでした。いま思えばなんですが、結婚に関して前進する手続きはすべて私がやりました。・結婚するまで二人で積立する・家具や生活用品を買う・結婚式の日取りを決め…
小説 『ダンテ、ふたたび』 【新連載】 山下 正浩 【神曲オマージュ】55歳のおっさんダンテ―!? 睡眠薬を常用し、消化器内科で治療中の彼が、再び森へ迷い込む。 この作品を、最愛の妻”典子”と娘”優希”に捧げる。いつもいつも、味方でいてくれてありがとう。本作はダンテの『神曲』地獄篇の知的なオマージュ作品……のつもりだが、パロディでもあり、ナンセンスギャグ満載である。ダンテが描いた地獄篇で主人公は三十五歳であった。それから数百年を経て、ダンテ五十五歳がふたたび森を彷徨う。すっかりオッサンになった彼は体内に悪魔を飼っているし、数百年前の地獄巡りなんてちっとも…